原付に乗ったことがある人ならまだしも、まったくの自動二輪未経験だと、自分に取得できるのか不安に思うことも多いと思います。車でAT限定の免許を取得した人は、二輪からMTに挑戦することのハードルも気になるところだと思います。ここでは、そんな不安を解消するための情報をご紹介します。
バイクの魅力
バイクには、車にはないさまざまなメリットがあります。スピードが速く自由に移動することができる上、渋滞を気にすることなく走れます。そのため、ガソリン代や時間を節約できます。また、車の場合は駐車場を借りなければいけませんが、バイクの場合にはその必要がありません。250cc以下のバイクの場合には車検もないため、節約になります。また、天気の良い日のちょっとした旅行にも最適です。ツーリングなどライダー同士で仲間ができやすく、人生の楽しみも増えると思います。
初心者がMT二輪免許を取得するのか可能か?
初心者は小型自動二輪から始めた方がいい?
最初から普通自動二輪を取得される方はたくさんいます。普通自動二輪取得後、すぐに大型二輪を取得する人もたくさんいるくらいです。誰でも最初は初心者ですし、教習所でギアチェンジなどの運転動作、クランク、S字などのコースの走行の仕方などをしっかりと教えてもらえます。
車はAT限定でも、二輪をMTにすることは可能?
車はAT限定でも、二輪でMTを取得することは可能です。車のMTと二輪のMTは別物です。大きな違いとして、車では足でクラッチ、手でギアを変えますが、二輪では手でクラッチ、足でギアを変えます。全くの逆であるため、車でMTに乗り慣れているからと二輪のMTにすぐに慣れるとは限りません。結局は慣れるか慣れないかの問題ですので、車がAT限定だからといって心配しなくても大丈夫です。
二輪のMTは車のMTより難しい?
個々により得手不得手がありますし、慣れ不慣れの問題もあるので一概には言えませんが、操作が単純なのは二輪です。二輪の場合は、右手でアクセルと前ブレーキ、左手でクラッチ操作、右足でリアブレーキ操作、左足でシフト操作というように、両手両足にそれぞれの操作を分業できます。一方で車の場合は、手でハンドル操作とシフト操作、右足でアクセル操作とブレーキ操作、左足でクラッチ操作となっているため、人によっては難しく感じるかもしれません。
いきなり大型はアリ?
普通二輪を取得していなくても、大型二輪を取得することは可能です。しかし、普通二輪と大型二輪は車体の大きさが全然違いますし、その分重く、必要とするパワーも違うため、おすすめはできません。例えば、転倒した際のバイクのお越し方やエンジンをかけない状態で押し歩く動作ですら、最初から大型二輪だと困難です。特に男女問わず身長の低い方、または力の弱い女性の場合は教習の際に苦労するかと思います。普通二輪を取得して運転にある程度慣れた段階で大型二輪を取得することをおすすめします。
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二輪教習中だけれど、技能が難しくて取得できるか不安です…
初めての二輪の運転に誰もが不安を抱きます。車と違って身出しですし、転倒したらケガがつきものです。しかし、自分の体重の何倍もする車体を人の運動能力を超えた速度で走ることになるため、恐怖心があって当然です。また、ただでさえ怖いのにMTの場合は操作が難しいため、基本すらできない自分に苛立ったり落ち込んだりもするかと思います。そうした恐怖心を取り除くには、やはり教習で一つ一つ焦らずにマスターしようと心がけることが必要です。とにかく教習車に数多く乗って慣れること、分からないことがあれば教官にどんどん質問して疑問はすぐに解決していきましょう。曲がる時の傾きの感覚など、とにかく繰り返し乗って慣れることが重要です。
失敗しやすい点とコツ
・取り回し
取り回しとは、エンジンをかけない状態で押し歩く動作のこと。単純そうに見えるこの動作に苦労する人が少なくありません。コツとしては腕で動かそうとせずに、腰で支えること。また、体を人の字にしてバランスを取ること(人字バランス)がポイントです。
・半クラッチ
二輪の教習において、普通自動二輪の場合は7秒以上、大型自動二輪の場合は10秒以上かけて、一本橋を渡ります。その際にポイントとなるのが半クラッチによるスピードの調節。一本橋にのって視線を固定したら、すぐに半クラッチで固定しますが、その際には半分ではなく7割程度つながった状態で左手の指を固定しましょう。
・ブレーキング
一本橋にのったら、バイクが止まらない程度の力加減でリアブレーキを踏み続けます。感覚的な問題になりますが、割と力を入れつつも止まらない程度にブレーキを踏むことで、極低速でバイクは進んでいきます。
・左手;クラッチ、左足;ギア、右手と右足;ブレーキ
左手の部分はクラッチ。これを握るとエンジンの動力が車体に伝わらなくなり、離すと伝わるようになります。左足の下にあるチェンジペダルは、クラッチを握ったまま蹴り上げるとギアが一速上がり、踏みつけると一速下がります。また、右手のブレーキが前輪のブレーキ、右足の部分にあるブレーキが後輪のブレーキです。
・カーブを曲がるときは、自分の体はまっすぐに、バイクのみ傾ける
コース上でカーブを曲がる時は、曲がりたい方向に顔と胸を向け、体はまっすぐに保ちます。この時にハンドルを押したり引いたりという動作は必要ありません(グリップを握るだけにする)。そうすると、重心が移動してバイクが傾き始めます。ハンドルで曲がろうとしないことがポイントです。
・ブレーキタイミングは早めに
バイクは急ブレーキをかけると転倒するため、できるだけ早めにブレーキをかけて安全に止まれるように心がけます(=急制動)。教習所ではバイクのフロントタイヤがパイロンの横に来たときにブレーキをかけるよう指導があるかもしれません。しかし、停止予定位置をオーバーしてしまうときは、ブレーキのタイミングは「少し早いかな?」と思うくらいの地点で早めにかけるのがポイントです。これは感覚の問題なので、とにかく何回も試すことがポイントです。
・教官を見るのではなく、目標(行くところ)を見る
一本橋に向かって進入する時は、教官を見るのではなく目標となる地点を見ることがポイントです。目標とは一本橋の一番手前の端になります。よそ見は禁物です。バイクは目線の方向に進行するため、進行方向にいかに目線を固定するかが重要です。
・自転車のブレーキにあたる部分;MTはクラッチレバー、ATはブレーキ
MTでは、自転車のブレーキにあたる部分がクラッチレバーですが、ATではブレーキになります。ATの場合はブレーキなので慣れやすいかもしれませんが、MTの場合は慣れるまでは注意が必要です。
・バランスをとるために足を開かない
ひざを内側に向けて足が開かないようにします。バランスをとろうとして、ついつい足を開いてしまいがちですが、車との接触という観点からも危険な行為です。
ようやく免許取得!初心者にオススメのバイクは?
操作性という面では、スクーター型はATなので簡単でおすすめです。アクセルやクラッチ、ギアチェンジなどの操作を一度に行う煩わしい操作は不要です。雨天時や買い物時にも便利です。MTは運転も難しいですし、いくら免許を取得したとしても公道で走る際、最初は緊張します。スクーター型に慣れた後、MTのバイクに乗ってツーリングに行くなど段階的に慣れていくのもひとつの手です。
まとめ
バイクは車とは別物ですし、車の免許と同じ感覚で考える必要は全くありません。車のMTとバイクのMTも全く違いますし、運転に対して最初は誰もが恐怖心を抱きます。それでも教習でひとつひとつを焦らずクリアしていくこと、何回も運転してクラッチやブレーキング、カーブの曲がり方などあらゆる感覚を体に叩き込んでいくことがポイントです。いきなり大型二輪は難しいですが、最初の二輪の取得が普通二輪という方はたくさんいます。